■2つの顔を見せる浦和
ただ、一方で、リカルド・ロドリゲス監督の手法は安定感を欠く原因にもなっている。
昨年来、うまく機能した時の浦和は素晴らしい攻撃を見せてくれる。
トップでは江坂任が優れた攻撃的なセンスを発揮。この江坂とユンカーのコンビネーションが決まれば、流れるようなプレーから得点が生まれる。トップから攻撃的なMFまで広い範囲をカバーする伊藤敦樹や先ほども触れたが複数ポジションをこなす明本の攻撃参加など、リカルド・ロドリゲス監督就任によって抜擢された選手の組合わせによって、浦和は非常にバリエーション豊富で、魅力的な攻撃を見せるチームになった。
だが、それが安定しないのだ。
1つの試合の中でも、素晴らしいサッカーをしていたかと思うと、後半になって停滞してしまうことも多かった。今年の元日に行われた天皇杯決勝でも、前半の途中まではJ2降格が決まっていた大分トリニータを圧倒して先制ゴールも決めた。だが、その後はすっかりとプレーが低迷。後半に入ると、攻撃的なシステムに変更した大分に反撃を許して、一度は同点に追いつかれてしまったのである。
また、素晴らしい内容のサッカーをしたので、次の週も期待してスタジアムを訪れると失望を味わわされることも多々あった。
その不安定さの原因はいろいろあるのだろうが、やはりメンバーが毎試合変更されることも原因の一つなのではないだろうか? 試合によって自分の周囲で戦う顔ぶれがまったく異なっているのでは、やはり選手たちにとってはやりにくいのだろう。
これに対して、FC東京のアルベル監督はあまりメンバーをいじらない。