■「最初の6カ月はいろいろなことを試し、調整をすることになる」
中盤でポジションを掴んでいる松木玖生と安部柊斗は球際の強さを見せ、途中出場の紺野和也とバングーナガンデ佳史扶は積極的な攻撃が光った。離脱者がいなければ外国人選手とベテラン選手で構成することも可能なチームで、そうではない選手たちが次々に輝いている。たとえ偶然にでもチャンスを得たら、それを全力でモノにすれば次に繋がる。そういう思いでプレーしている選手たちの姿は、見ていて清々しい。
ルヴァン杯に目を向ければ、指揮官は東廉太や梶浦勇輝、安田虎士朗らリーグ戦ではなかなかメンバーに入らない選手たちにプレー機会を与えている。彼らもこの先リーグ戦でチャンスを得ることがあるだろう。
そんな指揮官の取り組みをサポーターも理解している。勝利という形で結果が出なかったとしても、未来へのポジティブな要素を見つけることができていることで試合後には拍手で選手を迎えた。
積極的な変化の中でクラブの未来に何を残せるかを見極め続けるアルベル監督は、新潟での取り組みを「ほとんどの選手は2年目になるとかなり表現できるようになった」と振り返っている。「プロジェクトの成功には時間と忍耐が必要」と明言するアルベル監督は、新体制発表会では「最初の6カ月はいろいろなことを試し、調整をすることになる」とも言っていた。まだ5月、旅路は始まったばかりだ。
■試合結果
FC東京 0―1 サガン鳥栖
■得点
81分 堀米勇輝(鳥栖)