■サンタナがこぼれ球を押し込んで勝ち越しとなった

 すると、直後の70分、清水が勝ち越しゴールを奪う。

 投入された松岡がアピールしてボールを貰うと縦へのスルーパス。満田誠と野津田を抜いたものの繋がらなかったが、縦への積極的な姿勢が、責められ続けての失点という状況に落ち込むチームを鼓舞した。

 広島ボールとなったが、最終ラインから出た縦パスを宮本航汰がカット。宮本はその勢いのまま一気に前線まで上がると、中山克広のクロスをヘディングシュート。これはゴール前で阻まれたが、サンタナがこぼれ球を押し込んで勝ち越しとなった。

松岡大起 清水エスパルスvsサンフレッチェ広島(20220429)撮影/原壮史

 もっとも、宮本は失点で落ち込んでいたわけではなかった。「点を決められて気持ちが落ち込むような場面だったので、何とか盛り返したいという気持ちがあった。チャンスがあったらゴールへ向かっていく、ということをやりたかった」(試合後、宮本)と言う彼もまた、プレーでチームを鼓舞したのだ。

 80分に柏好文にゴールが生まれ、結果的に試合は2-2に終わることになったが、松岡は積極的な姿勢を見せ続けた。森島司に入ったボールをつついてサンタナに渡したり、最終盤の危険な場面でイエローカードと引き換えに広島の攻撃をストップさせたりと戦い続けた姿は、苦しい時間帯に頼もしい存在だった。

PHOTO GALLERY 清水エスパルスvsサンフレッチェ広島 20220429
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