■発明したのは誰なのか?

 一説によれば、このゲームは、1890年ごろに英国で発明されたという。また別の説では、同じ時期にフランスあるいはドイツで発明されたともいう。ハラルド・ソーントンという英国人が1921年に発明し、特許も取ったという話の一方で、フランス人のルシアン・ローゼンガールという人が1930年代に冬の寒い時期に孫を楽しませるために発明したという話もある。彼はそのゲームの名を「Baby Foot」と名づけたという。さらにスペインでも、内戦の真っ最中の1937年にマドリードでアレハンドロ・フィニステレという人が同じようなゲームを発明し、「futbolin」として発売した。

 FIFAには20世紀初頭につくられた英国製の「テーブルサッカー」台が保存されているが、どっしりと重い木製の台上に鉄製の盤が乗せられ、いまでも十分使用に耐える頑丈さを誇っている。

 ちなみに、「選手」がGKから「1-2-5-3」の形で並んでいるのも、このゲームが1930年代以前に誕生したことを示唆している。1925年のオフサイドルールの改正(3人制から2人制になった)の後、欧州では、イングランドのアーセナルが開発した「WMシステム」(選手の並びでいえば「1-3-2-2-3」が主流となる。その前のシステムが、「1-2-3-5」あるいは「1-2-5-3」なのである。オフサイドにならないよう、FWと相手ゴールの間にGKを含めて3人いることも、「1925年以前」を暗示している。

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