ブラジルと言えば、サッカー王国として知られる。今年開催されるワールドカップでも、優勝候補に挙げられる。その強国の歴史でも、今回のセレソンは最強かもしれない。サッカージャーナリスト・大住良之が、ブラジル代表を解析する。
■泣きどころがアドバンテージに変化
「森保ジャパン」のアジア最終予選6連勝も驚きだったが、ブラジルの南米予選7連勝、17戦して14勝3分けという成績は驚異というほかはない。そのカギは、17試合でわずか5失点という守備力にある。2018年ロシア大会の予選もブラジルは1位通過を果たし、18戦して12勝5分け1敗、勝ち点41という好成績を残した。今回よりも1試合多い18試合終了時点での比較になるが、総得点は41で、今回より多い。だが失点は11と、今回の倍以上だった。
GKはアリソン(リバプール=29歳)とエデルソン(マンチェスター・シティ=28歳)の2人が併用されている。かつてGKはブラジルの大きな泣きどころだったが、近年のブラジル人GKの充実ぶりは目覚ましい。欧州のトップクラブで活躍する2人がいるのは大きなアドバンテージだ。ともに長身でシュートに対する反応がすばらしく、そのうえに足元の技術にも長けていてDFラインの背後の広大なスペースを守りつつ、ビルドアップにも貢献する。