■過去最高の勝ち点数
ブラジルが所属する南米サッカー連盟(CONMEBOL)の加盟国は、国際サッカー連盟(FIFA)傘下の6つの地域サッカー連盟のなかで最も少なく、10か国しかない。この10か国に対し、FIFAは4.5枠ものワールドカップ出場権を与えている。現在のワールドカップ南米予選はとてもシンプル。全10チームのホームアンドアウェーによる総当たり、全90試合、1チームが18試合を戦うという形だ。
最後の3試合だけではない。ブラジルは「カタール2022」を目指す今回の予選で圧倒的な成績を記録した。昨年9月にキックオフ後に中止になり、未消化のアルゼンチンとのホームゲーム(6月に行われる予定)を残しながら、17戦して14勝3分け無敗。得点40、失点わずか5。勝ち点45は、南米予選が現在の形になったこれまでの7大会で最高記録である。
南米予選は非常に厳しい。どのチームもひとクセもふたクセもある選手をそろえており、大陸は広大で移動時間がかかり、気候も多様。さらには標高3000メートルクラスの高地の会場での試合も含まれている。これまでワールドカップをはじめとした世界の舞台ですばらしい記録を残してきた南米の「2強」ブラジルとアルゼンチンも、主力選手の大半が欧州のクラブでプレーしていることもあり、南米予選では苦しむのが当たり前だった。