■4月2日/明治安田生命J1第6節 横浜F.マリノス ー FC東京(日産)
柏戦に挑んだ川崎は、その代名詞ともいえる逆三角形の4-3-3を放棄した。今季初先発となったジョアン・シミッチと橘田健人にWボランチを組ませる三角形の4-3-3を採用。シミッチの配球力と橘田の危機察知能力を生かした新システムで、チームにリズムと安定感をもたらした。
それが攻撃にも生きたのだが、その攻撃陣で輝きを放ったのがトップ下で先発した遠野大弥だった。川崎でトップ下を務められる選手と言えば、家長昭博と大島僚太が真っ先に思いつく。家長は強靭なフィジカルとアイデアあふれるプレーで、大島もアイデアあふれるプレーに加えて超人離れしたテクニックで状況を打破できる。しかし、その2人を差し置いての遠野の起用だった。
その遠野が、トップ下の位置を基準として広範囲に動いてリズムを作り出した。レアンドロ・ダミアンへのボールが出た際にはそのサポートに動き、昨季MVPを獲得した1トップを孤立化させないように気を遣った。そして自らも前に出てシュートを放つなど、積極性も欠かさなかった。前半アディショナルタイムに決めたダミアンのゴールも、そのアシストをしたマルシーニョへの配球は遠野のダイレクトパスだった。川崎の新システムで、その良さを存分に発揮した。