■守備を強化し得る助っ人たち

 もっとも、山形戦で3人のストッパーの中央を担当し、琉球戦で右のストッパーとしてプレーしたのは和田卓也だった。だが、横浜F・マリノスから移籍してきた和田は、本来はボランチまたはサイドバックが本職の選手だ。

 琉球戦ではDFのガブリエウが復帰してスリーバックのセンターでプレー。今シーズン初先発で90分間プレーすることに成功した。

 昨年の終盤に膝を傷めたガブリエウはブラジルで治療に専念しており、チームに合流したのはシーズン開幕後の3月14日のこと。ようやく出場にこぎつけたのだ。まさに待ちに待った守備の要の復帰であり、「守備強化」が課題の横浜FCにとっては大きな出来事だった。「まだ70%の出来」というガブリエウだが、これからコンディションを上げてくれば心強い存在となっていくだろう。

 また、最後の砦として守護神のスベンド・ブローダーセンの存在も横浜FCにとっては安心材料だ。ブローダーセンはシュートをキャッチするよりも、難しいボールを弾き出す能力が高いタイプのGKだ。とくに琉球戦は朝から雨が続くスリッピーなピッチコンディションだったため、ブローダーセンはキャッチを試みるよりも、確実にパンチングでボールを弾くことを徹底した。そのため、セカンドボールを拾われる場面もあって、さらに「攻め込まれた」感が強くなってしまったが、ブローダーセン本人の意識としては危なげなくボールを弾き出していたということなのだろう。

 いずれにしても、ゴールの枠ぎりぎりのシュートを確実に弾き出してくれるGKは直接勝点につながる大きな存在だ。

(3)へ続く
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