さらに、「ここ数試合で最高の入り方」(四方田修平監督)をした琉球戦でも、次第に前線からのプレスが効かなくなり、26分には横浜FCから見て左サイドをえぐられて、フリーになった金井貢史にヘディングを決められてしまう。そして、この試合でも後半のシュート数は琉球が7本に対して、横浜FCは2本に終わったのだ。
つまり、相手をはめ込んでプレッシャーが効いている時間帯と、そのプレスを外されてしまう時間帯でまったく試合展開が変わってしまうのだ。
■プレスをかいくぐられる横浜FC
琉球戦で言えば、立ち上がりは琉球が2人のボランチ(富所悠と上里一将)からのパスを使ってプレッシャーをはがそうとしたものの、横浜FCのプレッシャーが上回って20分間で3ゴールが生まれたのだが、その後、琉球がボランチ経由のパスを諦めて直接サイドを使って攻める形に変えたことで、横浜FCはプレッシャーのターゲットを失ってしまったのだ。
一般的に言えば、相手が前線から激しいプレッシャーをかけてくる場合には、そのプレッシャーをかいくぐってパスをつなぐことができれば、数的優位を作ったりスペースを利用して良い形で攻撃を仕掛けることができる。
横浜FCがプレッシャーを仕掛けてくることはスカウティングの映像を見れば明らかだが、対戦相手はそのプレッシャーをかいくぐることをまず考えるのだ。だが、そこで横浜FCのプレスが想像以上に強いので琉球戦の序盤のような戦いになってしまう。
そこで、相手はそのプレッシャーを回避して、ロングボールを蹴るか、サイドに開く戦い方に切り替えてプレッシャーを回避しようとするのだ。そして、横浜FCは苦しむことになる……。