■チーム全体を前向きにするもの
この試合を前に、長友への批判の声がSNSを中心に出ていたことは事実だ。今年2月のサウジアラビア戦に際しては、「たくさんの批判をいただいて、皆さんの批判が僕の心に火をつけてくれた。改めて、批判は自分にとってガソリンであり、必要なもの」と言及しなければならないほどだった。
中山雄太という新戦力が台頭していることもあって、そこへの期待が高まるのは当然だろう。だが一方で、苦しいW杯最終予選を戦ううえで、プレー以外にもチーム全体を前向きにするために必要なものもある。あの大雨のウォーミングアップは、それを感じさせた瞬間だった。
4万人を超す観客と大雨。これだけでも日本代表を阻む壁は高かったが、さらに、入国のハードルが高ったため、十分に準備できなかった選手もいた――。