日本代表は、多くの人々が関わるチームだ。選手と監督を、多くのスタッフが支えている。
トレーナーも、その重要なメンバーのひとり。ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦を前に、トレーナーとして12年間携わり、W杯3大会にも帯同した池内誠氏に、なかなか表に出ない日本代表の秘話を聞いた。
■綿密な日本代表での体調チェック
日本代表は選手の綿密なケアに余念がない。心身両面から、選手たちのコンディションを整えていくのだという。
Jリーグでも行っているクラブはあるが、日本代表は日々、選手の自己申告方式で心身の調子をチェックしているという。体の調子や睡眠の具合など、複数の項目を自分が感じる点数で、選手が記入する。平均点がトレーナーが設定した数値以下になると、赤色のアラートとしてトレーナーに届く仕組みだ。
かつては食事前などに選手が手書きで記入し、スタッフが急いで計算する手法を取っていた。最近ではタブレットのアプリを使い、物差しのようなスケールの中で自分の状態がどこにあるかを示して数値化し、コンディションのチェックをしているという。
「体重も量って入力しますし、最近なら酸素飽和度もチェックしていると思います。よく寝られたかなどを、昔は10段階で、最近のアプリなら100点満点でチェックします」