2月に開幕した今シーズンのJリーグ。新型コロナウイルスなどの影響もあり消化試合数にバラつきはあるものの、すべてのチームが3試合以上を戦い(3月17日時点)、少しずつ傾向が見え始めている。編集部では、J1クラブのここまでの序盤戦のパフォーマンスを振り返りつつ分析。今回はヴィッセル神戸について見ていこう。
■クラブワーストとなる開幕6試合勝利なし
これまで7位だった最高順位をクラブベストの「3」に更新する形で昨シーズンを終えたヴィッセル神戸。
しかし、迎えた今季はなかなか調子が上がり切らず、ここまで6試合を戦って3分け3敗。クラブワーストとなる開幕6戦未勝利を記録してしまった。
その原因の1つとして、システムと選手の特徴のミスマッチが挙げられる。
神戸は現在、中盤がダイヤモンドの4-4-2を主に採用。ビルドアップのカギとなる新戦力の扇原貴宏をアンカーに置いているものの、彼はターンがそこまで得意ではなく、また、近くにサポートがいて活きるタイプだ。そのため、横浜F・マリノス時代のように2CHの一角といった形で起用するのが適しているかもしれない。
また、同じく新戦力の汰木康也についても同様だ。彼はサイドに張ってボールを受けてから仕掛けるタイプだが、現在のシステムだと横幅を取るのがSBなので彼の良さが活きてこない。このまま頑なにダイヤモンド型の4-4-2を貫くと、扇原と汰木の特長を引き出すことは難しいだろう。