後藤健生の「蹴球放浪記」第102回「空から見た世界三大絶景」の巻(1)アフリカで目にした世界最大の内陸デルタの画像
南アフリカW杯決勝戦の入場券 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、取材の過程も楽しむ。移動も、その重要なパートである。陸路だけではなく、空路にも目にしておくべきことは多い。

■EUROで目にした美しき世界遺産

 僕は、放浪中は列車に乗った時も、飛行機に乗った時も、出来る限り窓から外の景色を眺めることにしています。

 同業者の中には「移動中はなるべく眠っている」という人も多いようです。たしかに、仕事を抱えていればなるべく睡眠が大事なのは分かりますが、僕は「眠ってしまうのはもったいない」と思います。

 2012年にポーランドとウクライナの共同開催でEURO(ヨーロッパ選手権)が開催された時のことです。僕は列車でポーランドの首都ワルシャワからバルト海沿いの港町グダニスクに向かっていました。

 僕は車窓から、マルボルグ城を眺めていました。

 13世紀にドイツ騎士団によって建設された城で、世界遺産にも登録されています。第2次世界大戦末期の1945年にポーランドを占領していたドイツ軍と東からドイツを目指して侵攻してきたソ連の赤軍が激戦を繰り広げたために城はほとんど破壊されてしまいましたが、戦後に復元したものです。赤レンガの鮮やかな色が印象的でした。

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