後藤健生の「蹴球放浪記」第101回「ペレのおかげでシステム障害発生」の巻(1) 記者を迷わせた2017年U-20ワールドカップの画像
警察官に助けられながら、ようやく手に入れた2017年U20W杯のADカード 提供/後藤健生

 国際大会の会場に入るにあたって、誰もが等しく通らねばならない関門がある。どの国の記者でも、元選手であっても関係ない。ただし、一人だけ別次元の男がいた。偉大なるペレとの邂逅を、蹴球放浪家・後藤健生が振り返る。

■誰もが通る最初の難関

 ワールドカップでも、EUROでもいろいろな国際大会の取材に行った時、最初に済ませなければならないのがADカードを手に入れることです。ADカードがなければ、スタジアムにもメディアセンターにも入れませんし、メディア用のシャトルバスにも乗れません。逆に、ADカードを見せれば乗り物がタダになったり、博物館にタダで入れたりすることもあります。

 ADカードが必要なのはジャーナリストだけではありません。選手も監督もこれが必要です。選手交代の時には、第4審判がこのカードで選手をチェックしています。FIFA会長でも、警備の警官でも、売店の店員でも、清掃係でも、全員ADカードを首からぶら下げていないと会場に入れません。

 事前に申請受理されているわけですから、ADカードは必ず手には入るんですが、それが、結構、大変なこともあるんです。

 まず最初の難関はADカードを発行してもらう「アクレディテーション・センター」を探し出すことです。すべてのスタジアムのそばにあるんですが、それがなかなか見つからないこともあります。

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