■気になる新外国籍選手の合流時期
リーグ戦が進行している一方で、新外国籍選手獲得のニュースも届いている。
木山隆之監督のもとで滑り出し好調の岡山は、オーストラリア人MFステファン・ムークを完全移籍で獲得した。2011年のU-17ワールドカップ出場をはじめとして、年代別代表を経験してきた26歳だ。前所属のアデレード・ユナイテッドではキャプテンを任されていた実力者で、4-1-2-3のシステムを敷く岡山ではアンカーやインサイドハーフで起用されることになるだろう。
外国人FWの補強を目ざしていた千葉は、ブラジル人センターフォワードのチアゴ・デ・レオンソの獲得にこぎ着けた。ポルトガル、デンマーク、キプロス、香港、中国のクラブを渡り歩いてきた29歳は、185センチ、82キロのサイズを誇る。直近は中国リーグの広州シティに所属し、19試合に出場して7ゴールをあげていた。
3-4-2-1を基本システムとするユン・ジョンファン監督のもとでは、1トップのポジションを同じブラジル人のサウダーニャ、U―21日本代表候補の櫻川ソロモンらと争うことになる。千葉にとっては待望の本格派ストライカーだ。
新潟にはJリーグでプレー経験のあるFWがやってきた。20年に仙台でプレーしたアレクサンドレ・ゲデスである。
今シーズンから新潟を率いる松橋力蔵監督は、4-1-2-3のシステムを採用している。ところが、CFのファーストチョイスだった鈴木孝司が、開幕戦で負傷してしまった。ケガの程度は明らかになっていないが、2節以降はエントリーメンバーから外れている。
背番号9の離脱が長期になった場合、デゲスの加入はとりわけ大きな意味を持つだろう。185センチのサイズを持つこのポルトガル人FWが合流すれば、戦術の幅は広がるはずだ。
新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるために、日本政府は外国人の新規入国を制限してきた。これが3月1日に緩和されたことで、外国籍選手の来日が実現する環境が整いつつある。
新戦力の合流を待つのは、岡山、千葉、新潟だけではない。徳島ヴォルティスのスペイン人GKホセ・アウレリオ・スアレス、大分のブラジル人MFエドゥアルド・ネット、仙台のMFレアンドロ・デサバトら、即戦力のタレントが3節終了時点でエントリーされていないのだ。J3から昇格してきたいわてグルージャ盛岡も、2人の韓国人選手がピッチに立っていない。
外国籍選手の存在は、それぞれの選手の所属クラブだけでなくリーグ全体の行方を左右する。彼らの合流時期が気になるところだ。