■新たな才能を呼び起こすスポーツの数値化

 また、自身もスポーツに親しんできた山本氏は、ホークアイの技術が子どもたちの育成に役立つかもしれないと考える。

 「育成面で我々に何ができるか、個人的にすごく興味があります。ゴールデンエイジと言われる年代の子と、ユース世代の子では、骨格も筋力も違います。ホークアイの技術では、CG化した画像を、骨格だけ表示するものにもできます。その技術を使えば、リオネル・メッシの動きはすごいけど、骨の動きから体重の移動の仕方などが分かります。あるいは、久保建英選手が子どもの頃からどう成長したかを、単なる映像ではなく、骨格の動きから解析できるかもしれません。親の立場からすれば、子どもの成長にすごく役立つと思うんです。

 私が若い頃と違って、今は“根性”の時代ではありません。子どもたちもコーチも、YouTubeの映像を何度も見直して練習に取り組みます。そこに、映像だけではなく数値も入れたらいいと思います。野球だったら、目標も数値で出してあげて、“●月には●キロまで出せるようにしよう”とか、投げるボールの回転数や回転の方向を具体的に出してアドバイスすることもできるでしょう。感覚でしか分からなかったものを、もっとうまく伝えられるようになると思います」

 スポーツの数値化が、新たな才能を呼び起こすかもしれない。

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