■変わっていくコーチ像
サッカーでのVARなどと同様、ホークアイが提供するのは「事実」だけである。それをどう応用し、発展させていくかは、利用者に委ねられている。
ホーク・アイ・ アジアパシフィック ヴァイスプレジデントの山本太郎氏は、「スワローズには、ノムさん(故・野村克也監督)や古田敦也さんに代表されるID野球がありましたから、チームのDNAとしてデータとの親和性はあったのかもしれませんね」と前置きしつつ、こう語る。
「今の選手は、データを積極的に使っています。ベテランはそうでもないかなと思ったら、スワローズでは青木宣親選手も活用されていたようです。アメリカのMLBでの経験が大きいのかもしれませんね。投手コーチの伊藤智仁さんもすごく研究されていて、“自分が言われて分からないことは、選手にも伝えられない”と、データを咀嚼して渡すことを一生懸命されていたと聞いています。
コーチ像も、今後変わっていく可能性がありますよね。ツイッターでデータを発信していた東京大学の野球部員が、アナリストとして福岡ソフトバンクホークスに入るというニュースがありました。MLBのチームは、ものすごい数のアナリストを抱えています。コーチが元選手である必要もなくなっていくかもしれませんね」