■求められるJリーグクラブの活用
また、リーグの認知を高めて観客動員につなげるためには、試合運営のノウハウを持ち、また多くのサポーターを抱えるJリーグクラブを大いに利用すべきだろう。
現在WEリーグに加盟している11のクラブのうち半数以上の7クラブ(浦和、大宮、千葉、東京V、長野、新潟、広島)がJリーグ加盟クラブである。
実際、再開後にはJリーグとの共催の試みも行われる。4月23日には味の素スタジアムでJ2リーグの東京ヴェルディ対ジェフユナイテッド市原・千葉と日テレ・東京ヴェルディベレーザ対ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの試合が行われ、5月8日にはデンカビッグスワンスタジアムでJ2リーグの東京V対新潟と、WEリーグの新潟L対ベレーザの試合が行われる。
男子の試合を観戦したサポーターがそのまま女子の試合も観戦し、彼らに女子の試合の面白さを伝えることができれば、今後の観客動員につながるはずだ。
Jリーグという存在は、WEリーグにとっては競合する他のスポーツにはない大きな武器になるはずである。
実際、三菱重工浦和レッズレディースの試合には多くの熱心なサポーターが詰めかける。J1リーグでも屈指の動員力を持つ浦和レッズ「だからこそ」の風景だ。残念ながら、女子チームを持っているJリーグクラブのうち、J1に所属しているのは浦和とサンフレッチェ広島だけで、他はJ2もしくはJ3のクラブだ。今後、J1の強豪でサポーターの数も多いビッグクラブが女子部門も持つようになれば、観客動員につながることは間違いない。
社会の関心を引くこと。観客動員を増やすこと……。WEリーグは「手遅れになる前に、やれることはすべてやる」くらいの気持ちで“リーグ再建”のために死に物狂いで取り組んでもらいたい。