日本初の試みとなった女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が、中断期間を経て再開された。リーグが掲げる目標と理念は崇高なものであり、かつて世界の頂点に立った日本の女子サッカーは大きな可能性を秘めている。一方で、いきなりすべてが順調に進むわけでもなく、問題も散見される。「今」だからこそ見えるものから、サッカージャーナリスト・後藤健生が日本女子サッカー考察する。
■WEリーグの社会的認知が高まらない理由
WEリーグの社会的な認知はなぜ高まらないのか? そして、観客動員を増やすために、何をすべきなのか? 一刻も早く改善点を見つけ出し、なりふり構わずに解決していかなければ手遅れになってしまう。
たとえば、リーグ戦再開に注目を集められなかったのは中断期間があまりに長かったからではないか。
WEリーグには11チームが参加している。チーム数が奇数なので毎週1チームがお休みという状況にも問題があるが、ホーム&アウェーで各チーム20試合しか試合がないのだ。そして、WEリーグは「秋春制」を採用しており、北国のマイナビ仙台レディースやアルビレックス新潟レディースも参加しているWEリーグは冬場は中断を余儀なくされる。
その結果、昨年9月に開幕したリーグ戦は11月21日を最後に中断に入った(新型コロナウイルスの影響がなければ12月4日が第11節の予定だった)。そして、3か月の中断があって3月上旬に再開したリーグは5月22日に最終節を迎える。そして、その間に皇后杯全日本選手権大会が行われたのだが、こちらも1月5日に準決勝を終えてから、2月27日の決勝戦まで1か月半以上感覚があるという変則日程だった。