日本初の試みとなった女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が、中断期間を経て再開された。リーグが掲げる目標と理念は崇高なものであり、かつて世界の頂点に立った日本の女子サッカーは大きな可能性を秘めている。一方で、いきなりすべてが順調に進むわけでもなく、問題も散見される。「今」だからこそ見えるものから、サッカージャーナリスト・後藤健生が日本女子サッカー考察する。
■長い中断を経てのシーズン再開
3月5日、長いウィンターブレークを終えてWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)が再開された。2021年に新しく始まった、女子サッカーのプロリーグである。
昨年11月に日本女子代表(なでしこジャパン)がオランダに遠征。ちょうどその頃、海外で新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が報じられていたため、代表選手たちは帰国後14日間の隔離と待機を求められた。そのため、12月4日に予定されていたWEリーグの第12節が延期になってしまったため、11月21日に行われた第10節以来、実に3か月半ほどの長い中断を経ての再開となったのである。
第12節では、僕は味の素フィールド西が丘で行われた日テレ・東京ヴェルディベレーザ対AC長野パルセイロ・レディースの試合を観戦に行ってきた。
日本の女子サッカー界を長期にわたって牽引してきたベレーザだったが、開幕年のWEリーグでは第11節終了時点で4勝2分3敗の5位と出遅れてしまっていた。かつての“絶対女王”が後半戦での巻き返しを目指してスタートする試合だった。
そして、再開初戦となった長野戦でベレーザは4対0のスコアで快勝した。