【横浜F・マリノス対清水エスパルス 3月6日】
「自分が一番びっくりしています」
吉尾海夏はそう言った。
43分、清水はバックパスからゲームを立て直そうとしていた。清水のDF立田悠悟のキックに吉尾は身を寄せて右足を伸ばした。それは角度のない速いシュートになってゴールネットを揺らした。
「決してきれいなゴールではなかったけれど、あそこまでプレスに行けたことがゴールにつながった。入った瞬間、何とも言えない感情が沸き、鳥肌が立ちました」
吉尾のJ1初ゴールは変わった形で生まれたが、より印象深いものになった。なんかマリノスらしいゴールという表現も当てはまるかもしれない。
松原健らの激しい祝福を受けた後、両手を突き上げた「14番」は頼もしく見えた。