久保建英「時を止める」52分の驚異的なスルーパス!攻撃を一手に引き受けるも敗戦【サッカー日本代表・マジョルカ久保建英をバレンシアが「止めた」唯一の方法】(2)の画像
バレンシア戦でのマジョルカ・久保建英 写真:ムツ・カワモリ/アフロ

【ラ・リーガ マジョルカvsバレンシア 2022年2月26日(日本時間22:00キックオフ)】

 ファウルでしか止められない状態になっていた久保建英と、カードと交換に止めることをもともと想定して戦っていたバレンシアの対決は、後半になると、久保がパスで存在感を発揮するようになる。

 開始1分でベダト・ムリキをゴールキーパーとの間へのパスで走らせると、52分には時を止めるスーパーなスルーパスを披露した。

 ペナルティエリア右でボールをキープした久保は、カットイン気味に中央にドリブルで移動。敵ディフェンダー2人を引きつけて、左サイドにいたハウメ・コスタへ鋭いスピードもコースも完璧なボールを通してみせた。しかし、コスタのシュートはゴール枠外。前半、積極的な仕掛けとシュートを見せたことで、パスでディフェンス陣の裏をかきやすくなったが、肝心のゴールは遠かった。

 足が止まり始めて防戦一方になりつつあるバレンシアに対し、マジョルカのルイス・ガルシア監督はキレキレの久保を中心に据える。

 62分にはコンビを組む右サイドバックを、久保が黒子となるパターンがメインのパブロ・マフェオからジョバンニ・ゴンザレスにスイッチ。64分には早速スムーズな連携を見せてゴンザレスがクロスを上げ、スペースメイクではなくパス交換で互いにボールを持ったプレーで活きるようになり、マジョルカはますます右サイドからバレンシアを押し込む。

 71分にはダニ・ロドリゲスに替えてイ・ガンインを、78分にはサルバ・セビージャに替えてアブドン・プラッツを投入。久保とイ・ガンインの同時起用、そしてフォワードの増員という完全な攻撃モードとなって攻め続けるが、逃げ切りが見えてきたバレンシアは再び荒れていく。

 主審のホルヘ・フィゲロア・バスケスは、序盤に久保の異議を最初の警告としてカードの基準を明確に示すことができず、結果的に、なかなか笛を吹かずに試合が荒れていき、荒れてくるとカードでコントロールしようとするという悪循環に陥ってしまった。マジョルカのフラストレーションは溜まる一方で、85分にはカードを要求したルイス・ガルシア監督が退席処分となった。

 荒れていく試合はある意味ボルダラス監督のバレンシアペースだが、とうとう退場者が出る。

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