【J1分析】「勝手に飲水タイム」後に始まった右サイドからの猛攻【王者・川崎フロンターレとの開幕節で見えたFC東京の「大いなる可能性」】(2)の画像
右サイドで好プレーを披露したレアンドロ 撮影:原壮史

 J1リーグの2022年シーズンがスタートした。初戦から興味深い戦いが繰り広げられたが、3連覇を狙う川崎フロンターレをかなり苦しめたFC東京の戦いぶりも見ものだった。今季のJ1の行方に大きな影響を及ぼし得るFC東京を、サッカージャーナリスト・後藤健生が分析する。

■ゲームの流れを変えたプレー

川崎がチャナティップとマルシーニョがいる左サイドからチャンスを作り続け、そして東京のDFエンリケ・トレヴィザンとGKヤクブ・スウォビィクが好守でしのぐという展開が続いた。

 ここまでは、まさに大方の予想通りの展開であり、川崎が先制ゴールを決めるのは時間の問題かとも思われた。

 19分にもDF谷口彰悟からの縦パスを中央で受けたレアンドロ・ダミアンが左にはたいて、フリーになったマルシーニョがシュートしたが、スウォビィクが指先に当てて辛くもセーブ。コースが変わったボールは、ポストに当たって跳ね返った。

 ゲームの流れが変わったのは、その直後だった。

 東京のレアンドロが右サイド深い位置に入れたスルーパスを追った松木玖生がフリーになって折り返した場面だ。松木はオフサイドと判定されたが、松木の素晴らしい動きだしとレアンドロのパスが初めて見事にシンクロした場面だった。

 そして、これをきっかけに東京にチャンスが生まれ始めた。

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