21分には東京のゴール前で競り合った木本恭生の顔面にレアンドロ・ダミアンの腕が当たって木本がうずくまり、ここでゲームが止まった。

 すると、東京のアルベル・プッチ・オルトネダ監督がベンチ前に数人の選手を集めて指示を与えた。

 時間がちょうど前半の真ん中、22分での出来事だったので「勝手に飲水タイム」とも言われたが、この時の指示が重要な転機になったようだ。

 東京は、19分の最初のチャンスと同じように右サイドのレアンドロと松木の関係性を生かした攻撃の形を作り始めたのである。

■右サイドで始まった猛攻

 24分には右のタッチライン沿いで奪ったボールが安部柊斗から永井謙佑につながり、永井と松木が絶妙のワンツーで永井がフリーになり、永井から右のレアンドロにパスが通り、レアンドロがフリーでシュート。川崎のGK、鄭成龍(チョン・ソンリョン)が右手一本ではじき出した。

 28分には中央でレアンドロとディエゴ・オリヴェイラが溜めたボールを松木がシュート。クロスバーすれすれに飛んだシュートは、これも鄭成龍がはじき出す。

 さらに、前半の終盤42分には、左サイドバックの小川諒也からのロングパスをゴール右サイドでうまく受けた松木が折り返し、中央からレアンドロがシュート。これも鄭成龍がCKに逃れた。

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