■攻守ともに奮闘
38分にはピッチ中央を単独で持ち上がり、ペナルティエリア手前でラウタロ・マルティネスへラストパス。
これはシュートをする前に潰されてしまったが、チーム全体がプレスに苦しめられる中で的確なコース取りを披露して突破してみせた。
また、その能力は攻撃だけでなく守備にも活かされた。
ブロゾヴィッチが動いたスペースを補完することを原則とし、リバプールのハイプレスによるネガティブトランジションに対応。ボールの所有権が移ってしまっても、そこで一度後ろを向かせることで、インテルの守備が一気に崩壊してしまう危険性は大幅に引き下げられた。
加えて、守備が乱れた際には原則を外れて最も危険な穴を察知して的確に動いた。
31分には最終ラインが左側に偏ってしまったタイミングでハービー・エリオットに浮き球を入れられ、ペナルティエリア内で裏を取ったモハメド・サラーに渡りそうになったが、これを寸前でクリア。
レジスタとしてのゲームメイクと、クルソーレとしての運動量。どちらも備えた万能ミッドフィルダーとして躍動したチャルハノールの存在もあり、五分五分からややインテルが優勢、という構図で試合は折り返した。
試合終了後のチーム全体でのデュエル勝率が、インテル60%、リバプール40%となったことが示す通り、インテルは後半になっても中盤の運動量と強さで引けをとらなかった。
しかし、時間の経過と共に双方の消耗が進み、互いに決定機を作り出す展開になると、選手交代でチーム力の差を感じることになった。