だが、今年は天皇杯決勝がJ1リーグ最終節の翌々週に行われたため、各チームのシーズンオフの日程にバラつきが少なくてすんだ。

 ちなみに、2022年度の天皇杯決勝はワールドカップの日程のためにさらに前倒しされ、Jリーグ終了前の10月16日に予定されているので、その後、2023年度以降の天皇杯のスケジュールについてはこれから議論を呼ぶことだろう。

 天皇杯決勝が前倒しになったことについては、各クラブの“現場”からは好評の声が圧倒的だったようである。また、12月開催となった2021年度の決勝戦でも、新型コロナウイルス感染拡大前の決勝戦を上回る5万7785人の観客が集まったことで、日本サッカー協会でも今後の(2023年度以降の)決勝戦開催時期について改めて検討を行うことになりそうだ。

■ACLは後ろにずれこみ

 いずれにしても、2022年度のリーグ戦は天皇杯の影響を受けずに戦えるため、各クラブ間の不公平感なくリーグ戦がスタートすることになる。

 しかも、ACLでプレーオフを戦うヴィッセル神戸の場合でもメルボルン・ビクトリーとのプレーオフはリーグ戦開幕から約1か月が経過した3月15日の開催となったので、こちらも従来のように2月にプレーオフ開催といった日程に比べれば影響は少なくてすむ。

 リーグ戦開幕前にACLの日程が入ると、それだけシーズン開幕に向けての準備期間が短くなってしまうし、開幕時にすでに公式戦を経験したチームとシーズン初の公式戦のチームとでは条件が違ってしまう。

 こうして、天皇杯が前倒しになり、またACLの負担がない2022年シーズンは各チームが一線に立ってスタートできる。これは、リーグ戦として「本来あるべき姿」と言っていいだろう。

(2)へ続く
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