2022年のJリーグ開幕が迫ってきた。各チームは初戦に向けて仕上げに入っていこうとしている。
目標を達成するには、明確なゴールの設定と、そこに至る道筋の逆算が必要だ。開幕戦は確かに大事だが、リーグ戦の1試合に過ぎず、その後もチームの歩みを止めないことが肝要だ。
ぶれなく前進するために必要なJ1の各チームが追いかける「理想」と、そこにたどり着くための道のりを探る。
■リーグ最少の補強
チームを入れ替えるような動きを施したクラブがある一方、このオフの補強が最も少ないのがサンフレッチェ広島だった。
他クラブからの獲得はゼロ。ユースからの昇格と大卒選手が計3人で、その他は期限付き移籍していた野津田岳人と川村拓夢が戻ってきただけ。外部からプロ選手を獲得してはいないのである。
足立修強化部長はクラブのホームページで、「積極的な守備からの鋭い攻撃を積み上げ、攻守にわたってバランスの取れたチームを構築」とこれまでの歩みを総括。「クラブはさらに新たな挑戦の段階に入ったと判断」したと語っている。
J1を3度制した森保一監督がチームを離れた翌2017年に2位に導いた城福浩監督の下、チームは固まってきた。そして、このオフには補強をしなかったが、次の段階に入ったと宣言したのだ。それなりの「結果」が求められる時期に入ったと、自らにタスクを課したととらえていいだろう。ミヒャエル・スキッベ新監督を迎えるが、クラブとしてはここまでのサイクルの「集大成」を見せなければならないのだ。
昨季こそ11位だったものの、それまでの3シーズンはいずれも1ケタ順位だった。クラブの宣言からすれば、トップ5には入りたいところだ。