■イングランドへの「選手供給源」

 そもそも、1863年にフットボールの全国(イングランド)統一ルールを制定するためにロンドンで協会(ザ・フットボール・アソシエーション=FA)が結成された時にサッカーというスポーツが生まれたのだが、その後、1888年にイングランド北部の工業地帯で労働者出身の選手によるプロ・クラブが生まれ、こうした北部のクラブがプロのフットボール・リーグを結成した(ロンドンのFAは、「プロ化」を不承不承認めた)。

 そして、北部のプロ・クラブはスコットランドから数多くの選手を導入した。

 スコットランドにはテクニックに優れた選手が多かったからでもあるし、また、イングランド北部と同じようにグラスゴーも英国きっての工業都市であり、社会的に同一性が高かったからだ。

 いずれにしても、サッカーというスポーツが誕生した当時から、スコットランドはイングランドにとってサッカー選手の供給減だったのだ。そして、今でもスコットランド人選手は数多くイングランドでプレーしている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4