サウジアラビア戦の32分、右サイドをスピードで突破した伊東からのボールが南野の足元に入った。中国戦でシュートを撃ち切れていなかった時の光景が頭をよぎったが、南野はボールをコントロールすると、落ち着いてDFを外してシュートを決めた。まさに、南野らしいゴールだった。
これも、中国戦でのプレーが下敷きになっていたのだろう。
■「トップファイブ」とその他の間の差
いずれにしても、中国戦は大事なサウジアラビア戦を控える日本代表にとっては貴重なトレーニングマッチとなった。
しかし、最終予選の試合がトレーニングマッチのようだったというのはあまりに情けない話ではないか。アジアでは、本気でワールドカップ出場を目指している「トップファイブ」と他チームの間に力の差がありすぎるのだ。
チームが強くなるためには、絶えず強い相手との真剣勝負を経験することが必要だ。だが、アジア2次予選で日本代表はタジキスタン、キルギス、モンゴル、ミャンマーといった国と対戦。いずれも大量得点を奪って全勝で最終予選進出を決めたが、今から思えば、こうした格下の相手との試合が続いたことがチームに甘さをもたらしたのかもしれない。