2月1日、埼玉スタジアム2002で行なわれたFIFAワールドカップカタール2022アジア最終予選グループB第8節、サウジアラビア代表戦にサッカー日本代表は2-0で勝利した。前半32分、伊東純也の抜け出しからのクロスに飛び込み、冷静に相手DFを交わしてから決めた南野拓実の先制点。そして後半5分には伊東がスーパーミドルを決め、日本代表は完勝を収めた。
そして、同試合で35歳のベテランSBは、試合前、自身の身に降りかかっていた猛批判を見事に跳ね返してみせた――。
サウジアラビア戦前、長友佑都は窮地に立たされていた。渦巻く猛批判――最大の要因は、1月27日に行なわれた中国代表戦でのパフォーマンスだ。かねてより年齢面からくる衰えが指摘されつつあった長友。そうしたなかでの中国戦で長友は、たびたびのトラップミス、そして攻め上がっても1対1の勝負を避けたり、クロスを上げることを躊躇しバックパスをしてしまうなど、攻撃力がウリであるはずの彼の強みが全く見えないプレーに終始してしまっていた。そして、後半13分、長友と交代で入った24歳のDF中山雄太が、交代後3分でアシストを決めたのだ。
当然のように起こる先発交代論。それは、“盟友”本田圭佑が「待った」をかけるほどの状態であった。しかし、森保一監督は、サウジアラビア戦を前に「メンバー大きく変える必要はない」と述べ、1月30日に放送されたテレビ番組でも、元サッカー日本代表の内田篤人氏との対談の中で、日本代表の世代交代について「強引にはやらなくてもいい」とコメントしていたのだった。