サッカー日本代表・田中碧「異次元のプレーだった1本のパス」と「南野拓実との違い」とは?【ワールドカップ最終予選・中国代表戦の激論】(5)の画像
田中は主力に定着し、素晴らしいプレーと意欲を見せている 撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 サッカー日本代表は1月27日、中国代表とワールドカップ・アジア最終予選を戦い、2-0で勝利した。2月1日の首位・サウジアラビアとの対戦を前に、グループBの2位の座を守った格好だ。
 今回の勝利はどんな意味を持ち、どんな未来につながるのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が鋭く語り合う。

■長友に危機感?

――試合後、長友佑都の表情が硬いように感じました。交代で入った中山雄太がすぐにアシストを決めたことで、危機感が高まっているのでしょうか。

後藤「長友本人はそう感じているだろうね。次の試合のスタメン、大丈夫かな、って」

大住「僕は南野拓実よりも長友の方が、まだ先発は固いんじゃないかと思ってる」

後藤「長友も頑張っているからね。南野も頑張っていると、大住さんは言っていたけど」

大住「南野はよく走っていたよ。プレスもかけていた。だけどやっぱり、あのポジションの選手がペナルティーエリアの中でボールを持った時にシュートを打たないというのは、あり得ないわけだよ」

後藤「守備“も”頑張らないといけないけど、点を取るのが彼らの仕事だからね。僕が気になったのは、ミスをした後の反応。もっと悔しがらないといけない、と思ったわけ。そういった面で一番目を引いたのは田中碧だった。パスを出した後にうまく展開できないと、すごく悔しそうに天を仰いでいた。目指すものがあるんだろうな、と感じたんだけど、南野は大きなミスをした後も淡々としているように感じた。個人の性格があるし、表に出すかどうかはそれぞれだけど、淡泊過ぎる気がしたんだよね」

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