■大迫が空気を変えようとしたが…

 当初は満員での開催が目指されていたものの、感染拡大に伴いチケットの追加販売は取りやめとなり、チケット購入者にも「2回目のワクチン接種から2週間以上経過」「72時間以内のPCR検査で陰性」「24時間以内の抗原定性検査で陰性」のいずれかの証明がなければ入場できない、という条件が設定された。払い戻しにも応じ、最終的にこの日の入場者数は11753人。

 既に2敗を喫している日本にとって、これが絶対に勝たなければいけない試合だということは誰もが理解して試合を観ていたはずだ。しかし、静かで閑散としたスタジアムは、序盤から日本が主導権を握り続けたことも相まって、まあ負けることはないな、という確信を伴う練習試合に近い雰囲気に包まれていた。

シュートが決まらず悔しがる大迫 日本代表対中国代表(20220127)撮影/原壮史

 そんな空気を、大迫がハッとさせた。

 これはワールドカップの最終予選。ただの1試合ではなく、生きるか死ぬかが分かれる試合。

 PKで吼える“らしくない”大迫は、そう伝えているようだった。

 しかし、大迫によって一度はハッとさせられたスタジアムの空気は、その後再びまったりしたものに戻ってしまった。

PHOTO GALLERY 日本代表対中国代表戦 20220127
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