■久保の対応そのものは悪くなかったが…
久保の、モレノが縦に突破する可能性を封じつつペドラサもケアする、という対応の仕方そのものは悪くはなかった。
それに、スピードで振り切られるというやられ方は、ディフェンスのエラーとして責められるものではなく、オフェンスの能力の高さが讃えられるものだ。
それでも、プロの試合である以上、担当した場所を崩されて失点を生んだ、という責任は発生する。
久保は、失点を生んでしまった責任を負い、残りの時間をプレーすることになった。その責任は当然、マジョルカにゴールをもたらすことで果たされる。
すると20分、久保が右サイドから左足でクロスを入れると、ボールは中央のアマト・アンディアエの頭にピタリ。
しかし、ヘディングシュートがキーパー真正面に飛んでしまい同点とはならなかった。
そして結果的にこれが、この試合で久保が得点機会に名を残し、失点の責任を果たすことに最も近付いた場面となった。
この場面以外に良いところが1つもなかったわけではないが、精度の高さや上手さを見せる場面はあくまでも散発的で、チーム力で上回るビジャレアルの前にペースを掴めないまま、69分に交代となった。