人生の分岐点「マネジメントを任せたい」と言われた時にポジティブに受け取れた理由【サッカー日本代表DF板倉滉と同級生「二人三脚マネジメント」の裏側】(5)の画像
板倉はオランダから海外での挑戦をスタートさせた 写真:渡辺航滋

 現在ドイツでプレーする日本代表DF板倉滉は、今年のカタール・ワールドカップなど、今後の飛躍が期待される逸材だ。Jリーグからヨーロッパへ渡っても、年々ステップアップを遂げている。
 そんな期待の選手をマネジメントなどで支えるのが、有限会社SeeKの藤川誠人・代表取締役だ。サッカー一家に生まれ、小学校時代から板倉を知る心のよりどころでもある。
 二人三脚で成長を続ける2人の活動の裏側、さらに板倉の素顔について、藤川さんに話を聞いた。

■唐突なようで自然な「合流」

 2019年に入り、板倉がオランダで生活するようになってからも、2人は連絡を取り続けた。

「通信アプリの電話機能を使って、しょっちゅう話をしていました。向こうは練習が終わって暇になったからって、電話をかけてくるんですよ。こっちは夜中の2時や3時なのに」

 板倉からの連絡は続いた。しかも、グレードアップして。

 一緒に仕事をするという話は、唐突なようでいて、自然な流れの中から出たものかもしれない。藤川さんはプロ選手だった父を通じて、多少なりともサッカーやメディアの世界とのつながりはある。何より、子どもの頃から心を通わせ合ってきたふたりだ。また、藤川さんにとっても、求めていた挑戦でもあった。

「会社に入ってしばらくして、年齢を重ねるにつれて役職と年収が決まる、というのが見えたんです。それまでスポーツをやってきて、自分の力で道を切り拓いてきたので、正直に言って、それでは刺激が足りなかったんですよね。何をするとは決めていませんでしたが、入社してすぐに、3年以内には独立するだろうなと考えていました」

 いきなり辞表を出すわけにもいかず、スポーツマネジメントの業界の現況を調査しながら準備を進めた。

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