■メインもバックもカーブしている国立

 しかし、横浜国際総合競技場のようにスタンドが直線だと、スタンドの両端(サッカーで言えばコーナー付近)でもスタンドの距離は助走路の分だけ遠くなってしまう。しかも、横浜国際総合競技場の場合、サイドスタンド(ゴール裏)も直線に近い曲率の低いカーブになっているので、ゴール裏スタンドの両端もピッチからは相当に遠くなってしまうのだ。

 これに対して、国立競技場ではメインスタンドやバックスタンドはカーブしており、さらにサイドスタンド(ゴール裏)もトラックに沿ってカーブしているのでトラックの外側からスタンドまでの距離が短くなっている。

 2015年に解体された旧国立競技場(国立霞ヶ丘陸上競技場=1964年の東京オリンピックのメインスタジアム)の場合は、建設当時の基準に則って陸上競技用のトラックが8レーンまでしかなかったうえ、新国立競技場よりさらにトラックからスタンド最前列までの距離が近かった。

(3)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3