■恵まれた体躯に非凡なテクニック、そして豊富なゴールパターン。その姿はまさに「イブラ2世」

 192cmという長身ながら、優れた足元のテクニックを備えているのがイサクの最大の特長だろう。密集地帯でボールを受けてもターンして前を向くことができ、カウンター時にはスピードに乗った状態でも的確なボールコントロールによって速攻の起点になることもできる。さらにタッチライン際では切れ味鋭いドリブルによって局面を打開し、一気にチャンスを作り出すことができる。

 また、ゴールパターンの多さもこの22歳の武器となっている。タイミングよく裏に抜けてネットを揺らすときもあれば、対面のDFを抜ききらずにボールの位置を少しずらしてシュートを打つこともでき、絶妙なポジショニングでクロスに合わせるのもお手の物だ。さらには母国のレジェンドであるズラタン・イブラヒモビッチのようにアクロバティックなゴールも決めることができ、その得点パターンは多岐にわたる。

 さらに今季は、リーグ第10節アトレティコ・マドリード戦でFK弾をお見舞いした。48分、ペナルティアークから5mほど離れた左45度の位置でチャンスを得ると、イサクは壁の後ろの広い方に蹴るのではなく、あえて狭い方を選択。助走時に動き出していた世界的なGKヤン・オブラクの逆を突き、チームに追加点をもたらした。

 今シーズンも好調をキープし、ステップアップ間近のアレクサンデル・イサク。その契約解除金は100億円超とも言われているが、規律違反によって退団が有力視されるオーバメヤンや、今季限りで契約満了を迎えるラカゼットの後釜を探すアーセナルへの加入は実現するだろうか。

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