■育成が結果につながっている鳥栖
後藤「そうなると、7位になったサガン鳥栖の金明輝監督だよね」
大住「交代することになったけど、彼も本当に良い監督だと思う。鳥栖の選手は、年齢なんて関係ない、っていう顔でサッカーをしている。だから、若くても全然年齢が分からない」
後藤「鳥栖は下部組織が、すごく強い。2020年の年末、U-15が全国優勝した翌日には、クラブユース選手権でU-18が優勝して、毎日鳥栖が優勝しているようだった。地方の大きくないクラブが、良いチームをコンスタントに育て続けていくというのはすごい。2021年の最後もUー15が優勝したでしょ? 一時は経営危機も叫ばれていたのにね」
大住「クラブの育成は人口にも大きく影響されるんだよね。だから東京にあるヴェルディやFC東京はかなり有利な状況にある。以前にベルギーの小さいクラブに行って話を聞いたことがある。運営が大変だというから、育成を頑張ればいいじゃないと言ったら、良い選手は大都市のビッグクラブに持っていかれちゃうんだって。鳥栖は福岡が隣にあるから、本来すごく難しい状況にある。本当によくやっている」
――Jリーグでも移籍金が発生すれば、まだ助かるのですが、そういうケースばかりではないようです。
大住「聞いたところによると、クラブはどこもコロナ禍で赤字になって、複数年契約を結ぶことはほとんどないらしいよ。ただし、この1、2年の経験で、新しく海外から選手を連れてくるのは非常にリスクが高いと分かっているから、このオフは国内の移籍が激しくなるんじゃないの」
後藤「大学の試合を見に行くとスカウトたちの隣の席になることがあって、彼らの話を聞くことがあるけど、『外国人選手を取るのは怖い』って言っている。ひどい目にあったチームが随分あるものね」
大住「鹿島アントラーズなんて、新監督は来日できるのか、と思っちゃうよね」