毎年恒例の元日の天皇杯決勝は前倒しで行われたが、年をまたいでJリーグの動きは進行している。チームはオフに入ろうとも新シーズンへ向けてチーム編成を続けているのだ。
来たる2022年シーズンは、どのような1年になるのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が、いろいろなことが起きた2021年を糧として振り返りつつ、2022年のJ1の行方を占う。
■川崎にライバルは現れるか
――1強ではなく、2、3チームがけん引した方が、リーグにとっては良さそうですが、現状のJリーグをどう見ますか。
大住「どんなチームでも上位のチームを倒す可能性があるのは、すごく面白いとは思う。ただ、時代ごとに見てみると、ライバル関係の2、3チームが引っ張ってきた印象はあるな」
後藤「ジュビロが強い時にはアントラーズと、そういう関係があったね」
大住「リーグ創設初期はヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)とマリノスで、次にジュビロとアントラーズの時代になった。2000年代には、タイトルの数はあまり多くなかったけど、ガンバ大阪と浦和レッズの時代になって。今はフロンターレとマリノス、という感じだよね」
後藤「ジュビロとアントラーズの2強時代以降は、群雄割拠だったよね」
大住「どこもビッグクラブではないから、常にトップクラスの選手を補強するという形ではなく、ある程度、育成と補強をうまくミックスして、うまいこと良い選手がそろってトレーニングの効果が出たチームが、何年か続けてタイトルを争うという形にはなっているよね。でも、そのチームも世代交代の必要に迫られた時になかなかうまくいかず、次の時代のチームに代替わりしていくというのがJリーグの歴史だと思う」