■見え始めたW杯の「死相」
あらゆる生物の固体には、例外なく「寿命」がある。そして生物のそれぞれの「種」にも寿命があると言われている。ワールドカップは生物ではないが、生物の一種である人類がつくりだしたものである以上、その人類の愚かさによって誕生から1世紀で「寿命」が見え始めるのは、もしかしたら仕方がないことなのかもしれない。
だが、「ワールドカップの死」はけっして近年始まったものではない。2021年の暮れにはっきりと見えた「死相」は、歴史を子細に見れば、すでに半世紀以上も前にその姿を現しはじめていたのだ。