2022年にはワールドカップ・カタール大会が開催される。世界最大のスポーツイベントだが、すでに単なるサッカー最強国を決める大会にはとどまらなくなっている。続伸するその勢いはとどまるところを知らず、ついには自らをも飲み込もうとしている。
■FIFAが打ち出した2年に一度のW杯
ワールドカップにいよいよ「引導」が渡されようとしている―。
大会を主催している国際サッカー連盟(FIFA)が、この大会の2年にいちどの開催の実現に向け、次々と手を打ち始めている。決定することができるのは、現在211に達している加盟協会が集まるFIFA総会。数の勝負である。欧州サッカー連盟(UEFA、加盟55協会)と南米サッカー連盟(CONMEBOL、加盟10協会)というふたつの強力な団体が反対しても、数で勝れば「2年ごとの開催」は現実のものとなる。
その「数」を得るために、最近、FIFAは「2年にいちど」にすれば、収益が飛躍的に上がり、4年間で44億ドル(約5016億円)の「増収」が見込めるという数字を示した。ちなみに、直近の例で見れば、ワールドカップ年にあたる2018年のFIFAの収益は約46億ドルだったが、その前の3年間は、2015年と2016年が5億ドル強、2017年が約7億ドル強で、4年間で計64億ドルだった。7割もの収入増になるというのだ。