■伊藤の積極性がよく出ていた

 伊藤は浦和出身でユースにも所属。トップチーム昇格は叶わなかったものの、大学サッカーへと進み、昨年6月に浦和への内定を勝ち取った。

 筆者が伊藤のプレーを初めて目の当たりにしたのは、今年1月に行われた#atarimaeniCupだった。背番号10でキャプテンマークを巻いた伊藤は、最終ラインでの出場ながら試合を作る選手としてプレーしており、非凡な存在であることは明らかだった。

伊藤と中盤でコンビを組み大分を抑えた柴戸海 浦和レッズ対大井明美(2021219)撮影/原壮史

 リカルド・ロドリゲス体制になった浦和に加入した伊藤は、2月に行われた相模原とのトレーニングマッチで幸先良くゴールを決めると、開幕戦でいきなりスタメン出場。リーグ戦では36試合、ルヴァンカップでは12試合に出場し、天皇杯も決勝を含めて5試合で出場。柴戸海平野佑一らとの併用で途中交代や途中出場も多いが、50試合以上に起用され、チームの中核を担った。

 そして迎えた正真正銘の今シーズン最終戦、伊藤はタイトルが懸かった大一番で柴戸とのコンビでスタメン起用されると、持ち味である前での試合関与への積極さを増したプレーを披露。序盤に浦和が圧倒する大きな一因となった。大分が試合をコントロールするようになるとミスも出るようになったが、それによって消極的になり良さを失う、ということはなかった。

PHOTO GALLERY 浦和レッズ対大分トリニータ 20211219
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