■後半に冨安が真価を発揮した
試合はあまりにあっけなく決したが、後半に入るとリーズが反撃の意思を見せたことで、冨安が真価を発揮する。
この試合初めての地上戦の守備機会は51分のことだった。ジョー・ゲオハルトの突破をしっかり防ぐと、ここから圧巻のプレーを連発。54分にクリセンシオ・サマーフィルの突破を止めてそのまま攻撃に転じてみせと、56分にはこの試合最高のプレーを見せる。
ゴール前でグラウンダーのクロスに飛び込もうとしたクリセンシオに対して体を当ててブロックした冨安は、そのままサイドに流れていくボールを追いかける。ゲオハルトが後ろから猛追してきていることを振り返って確認すると、ボールに触る前にまずボディコンタクト。ここでしっかりと踏ん張るとボールをキープし、なおも激しく寄せてくるゲオハルトに負けず、力を受け流しながら反転して一気にドリブルを開始。目の前に入ってきたスチュワート・ダラスを裏街道で一気に抜き去ったが、後ろからファウルで止められた。
ポジショニング、判断、フィジカル、バランス、スピード、テクニック。一続きの流れの中でそれら全てが高水準であることを見せつけた冨安は、その後もセンターサークルでパスカットを見せるなど強烈な存在感を放ち続ける。