■目を真っ赤にしてピッチの外に
その状況でリカルド・ロドリゲス監督が交代カードを切る。72分にキャスパー・ユンカーを下げて宇賀神友弥を投入。退団が決まっている背番号3をピッチに送り込んだ。そして83分にも2人の選手交代をする。そのうちの一人が関根だった。関根は交代するためにベンチ方向に歩いたのだが、その際、すでにピッチに立っていた宇賀神と握手。さらに宇賀神を抱擁するのだが、そのとき、関根の目には涙が浮かんでいた。
その後、ベンチ方向に向かう関根は、ユニフォームを目に当てていた。そしてリカルド・ロドリゲス監督とも時間をかけて抱擁。スタッフに連れられてベンチに座ったが、そのとき、背番号41の目は真っ赤だった。あふれる涙を押さえながらの移動だった。
宇賀神や槙野、阿部への思いがあったからなのだろうか。自分がベンチに下がれば、もう同じピッチに立つことはもうないと感じたからなのだろうか。関根の涙は、サポーターの胸を熱くするものだった。
試合はその後、劇的な展開を迎える。90分に大分・ペレイラのヘディング弾で追いつかれたものの、後半アディショナルタイムに槙野が勝ち越し弾をゲット。退団する背番号5の活躍で、浦和はタイトルへの権利を再び手中にする。そしてそのまま試合終了を告げるホイッスルを聞いたのだ。