■町田のプレーが魅力的な理由
フットサルには、「ピヴォ当て」と呼ばれる基本戦術がある。
日本で使われているフットサルでは英語の用語とポルトガル語の用語が混在しているが、「ピヴォ」とはポルトガル語で「トップ」のことである。要するに11人制のサッカーで言うところの「ワントップ」である。
その「ピヴォ」にパスを送って、ボールを収めたピヴォがそこでタメを作って、上がってきた味方を使うという攻撃だ。要するに、「前線でボールを収めることのできる大迫勇也にボールを預けましょう」というサッカーの戦術と同じである。
ペスカドーラ町田には本石や毛利といった若いピヴォがいて、「ピヴォ当て」を有効に使った攻撃的なフットサルを見せていたのである。
町田は岡山監督時代の2017/18年シーズンにFリーグで2位に入っているが、その後は5位、6位、3位と上位にはいながらも、必ずしも優勝争いに食い込むことができてはいない。しかし、若いピヴォを使った正攻法の攻撃サッカーは魅力的なものであり続けた。
だから、僕は「早くあの若い選手たちが育ってほしいものだ」とずっと願っていたので、毛利が今年9月のワールドカップ・メンバーに選ばれたことも嬉しかったし、今回、木暮賢一郎新監督が代表候補トレーニングキャンプに町田の4人を選出してくれたので喜んでいたのである。