■バイエルンが攻める
つまり、4バックではあるものの、バルセロナの最終ラインは守勢に回ってから2人が1テンポ、2テンポ遅れて守備に加わることになる3→4→5と2段階での変形。しかも3→4も4→5も右サイドの変形だ。
3の状態ではジェラール・ピケが内側から右サイドの対応にあたることになる。その場合には、1テンポ遅れて戻ってきたアラウホは右サイドではなく中央を埋める、ということになっているものの、スピードがある攻撃には対応しきれない。
アラウホが前に出ていることでスペースが空いており、そこを使ってピケを引きずり出すことで今度は中央が空く。
当然、それはバイエルンのユリアン・ナーゲルスマン監督にとって狙いどころになった。
27分、ピケのクリアをリロイ・サネがダイレクトで前へ送りトーマス・ミュラーが最終ラインの左(バルセロナの右サイド)を抜け出して決定機を迎えたことでその脆弱性がハッキリと表れる。31分にバルセロナは左サイドバックのジョルディ・アルバが負傷交代となったが、バイエルンはバランスが変わったそこを狙うのではなく、徹底してバルセロナの右サイドを利用した。
そして34分、ロベルト・レヴァンドフスキがやはり左を抜け出してピケと対峙すると、中央を突いたのはミュラー。浮き球のパスをヘディングでゴールにねじ込んだ。中央に戻ってきたアラウホが必死のクリアを見せたが、ゴールラインを割った後だった。