■世界各地で違うドライバー事情

 この時は、「ミクロセントロ」と呼ばれるブエノスアイレスの都心中の都心、コルドバ通りとレコンキスタ通りの角付近の古いホテルに泊まっていました。ブエノスアイレスの人なら、誰でも知っている繁華街です。「コルドバとレコンキスタの角」と言えば、一発で通じるはずでした。

 ところが、運転手は「分からない」というのです。

「オラなぁ、3日前に山から出てきたばかりなんじゃよ……」と運転手。「山」とはつまり、アンデス山脈のどこかのことですね。

 よく、そんな人がタクシーの運転手をしているものです。

 しかし、バレンシアの時とは違って、こちらはブエノスアイレス中心部の地理はよく分かっているので、この時は難なくナビをしてホテルまで帰ってきました。

 そういえば、ロンドンのタクシー運転手には厳しいテストがあるので道路を熟知していると言われていましたね。たしかにそうかもしれません。

 しかし、イングランドでも田舎町に行くと地理の分からない運転手はたくさんいます。だいたい、どこの国でも運転手には移民が多いものです。イングランドだったらパキスタン人、ニューヨークだったらエチオピア人といった具合ですから、道が分からなくても仕方ないのかもしれません。

「道を知らないタクシー運転手の憂鬱。客はもっと憂鬱」という話題でした。

 その点、日本では安心……。もちろん、例外もいたわけですが。

PHOTO GALLERY スペイン語で「ハリケーン」を意味する名を関するアルゼンチンの名門クラブの取材許可証
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