■優勝をもたらした殊勲のゴール
さらにジェジエウは、リーグの前後半で違う顔を見せた選手でもあった。前半戦は、セットプレー以外で攻撃に参加することが決して多くなかったが、後半戦はたびたびボールを持って推進を見せた。時に相手選手を抜き去ってサイドを駆け上がるなどして、時に苦しいチームに活をもたらした。
ジェジエウの今季の得点数は「2」だが、その貢献度も大きい。最初の得点は、5月4日のホーム名古屋戦。もう1点は、11月3日のホーム浦和戦だ。名古屋戦での得点は、当時、首位攻防戦という大事な試合でのもので、3-2とスコア的に競り合った試合をものにしたものだ。2戦連続での川崎―名古屋を2連勝したことで、川崎はさらに勢いづいた。逆に、名古屋はリーグ戦でやや失速してしまった。その意味でも、ジェジエウのゴールは大きい。
浦和戦のゴールは、追いつかれてしまったものの、ジェジエウの得点で引き分けにすることができた。そして、この試合で川崎は優勝を掴んだ。守ってよし、攻めてよしの背番号4は、“守備のMVP”だ。
そして右サイドバックは山根視来。山根の魅力は攻守ともに優れ、オーバーラップのタイミングと質がいいだけでなく、体力おばけであるところ。川崎で37試合に出場し、その出場時間は3318分。もちろん、チーム最長の出場時間だ。アシストは2ケタを超え、特にダミアンとの相性は抜群。日本代表に選ばれるのも納得で、先発奪取も期待したい。