【ベガルタ仙台、J2降格検証(1)】ストーブリーグですでに敗れていた“残留ライバルとの直接対決”の画像
J1残留をかけた湘南との直接ライバルでベガルタ仙台は無残な完敗を喫した 撮影:中地拓也

 杜の都から灯が消えた。11月20日、ベガルタ仙台は湘南相手にホームで完敗。再昇格した2010年から12季連続で留まってきたJ1からの降格が決まった。J1からの降格はこれが2度目となる。

 財政規模はJ1最低クラスでありながら、これほど長期間にわたってトップリーグにいたことは賞賛に値するし、その間、J1準優勝や天皇杯でもファイナルにまで達している。さらに、Jリーグベストイレブンにも選手を輩出し、ACLも戦った。しかし、J1での冒険はここでいったん途切れることとなった。

 2018年には天皇杯決勝を戦ったチームが、その3年後にわずか5勝しかできないままJ1を去ることになったのは、いったいなぜか。実は、ベガルタは昨年もコロナ禍における特別なレギュレーションがなければ、降格に値する17位だった(18チーム中)。この年の成績は6勝10分18敗で勝点28(36得点61失点)。残留からは遠く離れた数字だった。

 2020年から複数年契約で仙台を率いる予定だった木山隆之監督も、降格相当の成績ゆえに1年で退任することとなる。最終節を残した状況で、クラブが「今シーズンの成績や戦いぶりを振り返」った結果の決断だった。

 この年の仙台に対する期待度は決して低くはなかった。新監督を迎えたチームは、例年にない補強を敢行。元バルセロナイサック・クエンカやスペイン人FWのアレクサンドロ・ゲデス、さらにビッククラブを渡り歩いた赤崎秀平に、地元出身の吉野恭平、ブラジル人SBのパラなど、全ポジションにタレントをそろえた。

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