■サッカー選手たちと同宿

 1970年代といえば、現在と違って日本の若者たちも政治に強い関心を持っていました。政治学科の学生だった僕もチリのクーデターに関する本を何冊も読みましたし、クーデターを扱った映画なども見ていました。

 1978年にサンチャゴを訪れた僕は、さっそくモネダ宮殿を見学に行きましたが、モネダ宮殿の壁の一部にはまだクーデター事件の時に刻まれた弾痕が残っていました。

 僕はモネダ宮殿からもほど近い「グランパレス」という都心のホテルに泊まりました。すると、そこにプロ・サッカーチームの選手たちも宿泊していたのです。僕がサンチャゴに着いた翌5月28日にエスタディオ・ナシオナルで国内リーグの試合があったのです(チリ代表は南米予選で敗退。この年のワールドカップには出場していません)。

(2)へ続く
PHOTO GALLERY ■チリの名門クラブの試合チケットなど旅の跡
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