【チャンピオンズリーグ分析】チェルシー対ユベントス、監督対応力で差がついた「大惨敗」は監督とチームを変えるか【0対4の敗戦、ユベントスはなぜ崩壊したのか】(2)の画像
チェルシーのカラム・ハドソン=オドイが3点目を決めたシーン

UEFAチャンピオンズリーグ グループH第5節 チェルシーvsユベントス 2021年11月23日(日本時間29:00キックオフ)】

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  0-2となり、このままではチェルシーに首位を明け渡すことになるユベントスは得点を奪いたいところだったが、リュディガーの件を対応されたチームは攻め方を見失ったままだった。いざラビオ、ロドリゴ・ベンタンクール、マヌエル・ロカテッリの3人がボールを持っても、出しどころがなく困惑するばかり。

 0-3となってベンタンクールをパウロ・ディバラに替えたものの、もう試合は終わってしまっていた。守備も攻撃も、当初のプランが破られた後にどう対応するか、というのを見せることができなかったユベントスは4失点で完敗。チェルシーがグループリーグ突破を確定させると同時に首位に立った。

 選手の質の問題よりも、監督の対応力で差を見せつけられることになったユベントス。

 この試合でマッシミリアーノ・アッレグリ監督が用意したことは、リュディガーの攻撃参加を許したままにして浮かせることでワンチャンスを狙うことと、ラビオをセントラルに加えてボールのあるサイドに人数をかけること。前半途中でトゥヘル監督がそこに対応すると、そこからは守備も攻撃も選手任せになってしまい、ハーフタイムにも劇的な修正や新たな狙いがもたらされることはなかった。

 アンドレア・ピルロ監督の冒険が失敗に終わり、クリスティアーノ・ロナウドが去り、今年のユベントスが再建の初期段階であることは間違いない。

 セリエAで首位ナポリと11ポイントも離されて8位となっているイタリアの盟主に対し、現在ワトフォードを指揮しているクラウディオ・ラニエリ監督は「アッレグリ監督のスタイルは古いと言われるが、私はその言い方は好きではない。3年間で3人の監督を交代したチームに、勝つためにプレーする、という習慣を取り戻させるには時間がかかるんだ」と語った。

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